▪️ 黒岩恭子先生との出会い

院長先生は、歯科医師の黒岩恭子先生を定期的に病院にお呼びになりました。

黒岩先生は、誤嚥性肺炎を予防し、食べる機能の維持向上を目指した口腔ケアグッズ『くるリーナ』という球状のブラシを考案し、その活用方法を全国の患者さんへ発信する活動を行なっていらっしゃいます。

院長先生は、黒岩先生と共に「病棟から臭いを無くそう」「誤嚥性肺炎を予防しよう」と口腔ケアへの取り組みを進めて行かれました。
取り組みのはじめには、試験的に介入する
患者さんへの黒岩先生のラウンドに、
私が帯同することになりました。
黒岩先生が考案した『くるリーナ』は、
とても画期的で、看護するスタッフの時間や身体的な負担を減らし、患者さんにとっても、痛みなどの苦痛が少なく、効果を実感
できるものでしたが、新たな取り組みの開始に、病棟の看護師さんからは難色を示されました。どこの職場でも新しく始める事に対しては、仕事が増えるように感じ、抵抗してしまうものですが、栄養士が口の中の汚れに
口を出す事に対しても、病棟はピリピリし
前途多難な感じでした。
そうして行くうちに少しずつ効果が見えはじめ、その効果は驚くべきものでした。
患者さんの口の中がきれいになり、病棟から臭いが減りました。病棟の臭いは、排泄物の臭いだけではなく、口の中の臭いも原因だったのです。
臭いが減るのと同時に、熱を出す患者さんが減って来ました。
口の臭いは、口の中で繁殖する細菌が原因であり、その細菌が気管を経て肺に入り増殖・炎症を起こし、熱が出ていたのです。
中にはこんな方もいらっしゃいました。
その方は、脳梗塞後、寝たきりで表情もなく過ごしていらっしゃいました。
口腔清掃・口腔リハビリをし、細かな調整をした義歯を入れ、口紅を付けたお顔を鏡に映したところ、目にグッと力が入り、ご自分でブラシを持って髪をとかす仕草をされたのです‼︎
『口ってすごい‼︎』と、今まで味わったことのない感激の瞬間で、ご家族と涙を流して喜んだことは、今の自分の原点となる忘れられない体験となりました。
口腔ケアをしっかり行なうことで、口の中がきれいになるばかりでなく、口の周りや顔面を動かし刺激することで、顔に表情がなかった方に表情が出た方、声が出るようになった方もいらっしゃいました。
このような効果を目にして、病棟の看護師さんやヘルパーさんや言語聴覚士さんなど、1人…2人と興味を持ってくださる仲間が増えていき、病院全体で取り組むことができたのでした。








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食べる口を作る swallow

管理栄養士の木富れい子です。 いつまでもおいしく『口から食べたい』 という思いに寄り添い、 『食べる口を作る』取り組みをしています。 加齢により、食べる機能が低下して、 おいしく楽しいはずの食事が、 “誤嚥性肺炎” “窒息”など、 命を奪う悲しいものになることもあります。 摂食・嚥下にかかわる管理栄養士として今までの経験で得たこと、日々の気付きなどを 発信して行きたいと思います。

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